思付おもいつき)” の例文
「それは、よい思付おもいつきだ。」と、二郎次はすぐ賛成しました。三郎次は、兄たちに別れるのはちょっと悲しうございましたが、根が元気のよい若者ですから
三人兄弟 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
河合少年の思付おもいつきは、早速さっそくマートン技師からデニー博士に伝えられた。博士はそれを聞いて喜んだ。そしてその方向に、問題を解決する道を進むことになった。
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
麝香じゃこうの無心があった事か如何どうか分らないが、手塚の二字を大阪なまりにテツカと云うそのテツカを鉄川と書いたのは、高橋順益じゅんえき思付おもいつきほどく出来てる。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
じっと坐ったままで、派出所の中から一人の巡査が歩き出して来るまでは何の思付おもいつきもなく、それを見てからようやく車を下りた。巡査はわたしに近づいて言った。
些細な事件 (新字新仮名) / 魯迅(著)
すると一人ひとり思付おもいつきに、この酒をの高い物干ものほしの上で飲みたいと云うに、全会一致で、サア屋根づたいに持出もちだそうとした処が、物干の上に下婢げじょが三、四人涼んで居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)