忍冬にんどう)” の例文
「相變らず、口が惡いなア、そんなイヤな匂ひぢやありませんよ、お種人參たねにんじん忍冬にんどう茴香うゐきやうが匂はなきやならないわけなんだが」
旦那、私には砂地すなぢと濱の香しか致しません。それは金雀えにしだ花ぢやあ御座いませんか、風で忍冬にんどうの蔓にからんだのです。色が褪めて、黄ばんできたないぢや御座いませんか。
わるい花 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
川原へ泳ぎに行った時は、川岸のやぶに咲いた忍冬にんどうの花の蜜を、むちゅうになって吸ったものである。
甘い野辺 (新字新仮名) / 浜本浩(著)
屋根の半は葦簾よしすだれに枯枝をまじへて葺き、半は又枝さしかはしたる古木をその儘に用ゐたるが、その梢よりは忍冬にんどう(カプリフオリウム)の蔓長く垂れて石垣にかゝりたり。
ここにあるのは Acorns でこれは Ambrose の事です。こちらにあるのが Rose で Robert を代表するのです。下の方に忍冬にんどういてありましょう。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
秋の大地の息——忍冬にんどう仙人草せんにんそうや藤や刈り草のにおい——が、家の中にまた二人の身体にみ込んできた。夜の静けさ。添い寝の眠り。沈黙。遠い犬のえ声。鶏の歌。あけぼのの光が見えそめる。
蚊の声す忍冬にんどうの花散るたびに
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
甘草の匂い、——いや忍冬にんどうの匂いと言う方が適切かもわかりません。蛇は多分この処女の体臭に酔わされて、娘の思うままになるのでしょう。
おかみさん、この花を持つて歸つて殺してやるんだ、この心の臟を突通つきとほしてやるんだ。私は愛の思出や、感情の玩具おもちやや、古い繪草子ゑざうしはさんだ押花をしばなや風が忍冬にんどうつるに隱して置く花なんぞは嫌ひだ。
わるい花 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
蚊の声す忍冬にんどうの花散るたびに
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
蚊の声す忍冬にんどうの花散るたびに
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
蚊の声す忍冬にんどうの花散るたびに
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)