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微曇
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うすぐもり
ふりがな文庫
“
微曇
(
うすぐもり
)” の例文
微曇
(
うすぐもり
)
のした空に月があって虫の
音
(
ね
)
が一めんにきこえていた。
街路
(
とおり
)
には
沙利
(
じゃり
)
を敷いてあった。菊江はその
街路
(
とおり
)
を右の方へ往った。
女の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それは冬の
微曇
(
うすぐもり
)
のした日のことであった。S大尉が格納庫の中で機体の手入れをしていると、飛行服を
著
(
き
)
たS中尉が顔色をかえて飛んで来て
空中に消えた兵曹
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
蠅は一疋であったと見えてその日は一日
何人
(
だれ
)
も蠅の姿を見なかった。その日は
微曇
(
うすぐもり
)
のして寒い日であった。夕飯の後で九兵衛は蠅のことを云いだした。
蠅供養
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
微曇
(
うすぐもり
)
のした空に宵月が出てぼんやりした光が庭にあった。庭の中程と思う処へ十本ばかりの物干竿が転がっていた。それは家の西側の
簷下
(
のきした
)
に何時も掛けてあるものであった。
宝蔵の短刀
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
舵
(
かじ
)
が少し狂うと舟は蘆の中へずれて往って青い葉が
船縁
(
ふなべり
)
にざらざらと音をたてた。
微曇
(
うすぐもり
)
のした空から
漏
(
も
)
れている初夏の
朝陽
(
あさひ
)
の光が
微紅
(
うすあか
)
く帆を染めていた。舟は前へ前へと往った。
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
微
常用漢字
中学
部首:⼻
13画
曇
常用漢字
中学
部首:⽇
16画
“微”で始まる語句
微笑
微
微塵
微風
微行
微妙
微暗
微酔
微醺
微温