御交際おつきあい)” の例文
「どんなものでしょう。老人も取る年で近頃は大変心細そうな事ばかりいっていますが、——どうかして元通りの御交際おつきあいは願えないものでしょうか」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「叔父さん、今晩は榊さんが夕飯を差上げるそうです。何卒どうか御交際おつきあい下さいまし」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「もし、それが気になるなら、わたくしの方はどうでもう御座んすから、御父様と仲直りをなすって、今まで通り御交際おつきあいになったら好いじゃありませんか」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「しかし御父さまに悪いでしょう。今になってあの人と御交際おつきあいいになっちゃあ」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こう続けざまに芝居を見るのは私の生涯しょうがいにおいて未曾有みぞうの珍象ですが、私が、私に固有な因循いんじゅん極まる在来の軌道をぐれ出して、ちょっとでも陽気な御交際おつきあいをするのは全くあなたのせいですよ。
虚子君へ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
自分はつつしんで安さんのむねりょうした。実際自分もその考えでいたんだから、これはけっして御交際おつきあい挨拶あいさつではなかった。それからいろいろな話をしたがシキの中の述懐と大した変りはなかった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)