御上おあ)” の例文
じゃまあ、御上おあがんなさい。そうして、あした人をつけて上げるから、まあシキへ這入って御覧なさるがいい。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「だから、貴方あなたが奥さんを御貰おもらひなすつたら、始終うちばかりゐて、たんと可愛かあいがつて御上おあげなさいな」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
からそれをすぐ御友達おともだちの所へ届けて御上おあげなさい。是はにいさんには内所ないしよだから其積そのつもりでゐなくつては不可いけない。奥さんの事も宿題にするといふ約束だから、よく考へて返事をなさい。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そんなに倦怠けったるうがすかい。全く陽気の加減だね。どうも春てえやつあ、やに身体からだがなまけやがって——まあ一ぷく御上おあがんなさい。一人で志保田にいちゃ、退屈でしょう。ちと話しに御出おいでなせえ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「よくさそって御上おあげになったのね。御病気じゃなくって」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
坂井さかゐ御孃おぢやうさんにでも御上おあげなさい」とつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「なに構わん、まあ御上おあがり」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)