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張本
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ちょうほん
ふりがな文庫
“
張本
(
ちょうほん
)” の例文
肝腎
(
かんじん
)
の
張本
(
ちょうほん
)
を逃がしてしまうからさ。やッつける時には、一網打尽じゃ。今はまず、奴等の罠にはまったと見せかけ、油断をさせておけばいいのじゃ。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と
舳
(
みよし
)
からだみごえをかけたのは、この船の
張本
(
ちょうほん
)
で、
龍巻
(
たつまき
)
の
九郎右衛門
(
くろうえもん
)
という大男だった。
赤銅
(
しゃくどう
)
づくりの
太刀
(
たち
)
にもたれ、
南蛮織
(
なんばんおり
)
のきらびやかなものを着ていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時代後れの
頑物
(
がんぶつ
)
——まあわからずやの
張本
(
ちょうほん
)
、
烏金
(
からすがね
)
の
長範先生
(
ちょうはんせんせい
)
くらいのものだから、黙って
御手際
(
おてぎわ
)
を拝見していればいいが——僕の未来記はそんな当座間に合せの小問題じゃない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「世に処するには一歩を
譲
(
ゆず
)
るを高しとなす、
歩
(
ほ
)
を
退
(
しりぞ
)
くるは即ち歩を進むるの
張本
(
ちょうほん
)
」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「賊でない奴が、ここにいるはずはない。花栄、きさまも今は
張本
(
ちょうほん
)
の一人だろうし、そこの
椅子
(
いす
)
にいる色の黒い男も、いずれは悪党の頭株にちがいあるまい」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
若しわしが赤蠍の
張本
(
ちょうほん
)
を捕え、その
殲滅
(
せんめつ
)
を目的とするのでなかったら、可哀相な珠子さんに、これ程怖い思いもさせず、相川さんが麻酔薬で眠らされる様なことも起らなかったであろう。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その落第の
張本
(
ちょうほん
)
とも云うべき彼が、いくら年を取ったって、かほどに
慇懃
(
いんぎん
)
になろうとは思いも寄らぬ事であった。今日は午後から満鉄の社へ行って、蒙古旅行に関する話をするんだと云っている。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
蟹江城
(
かにえじょう
)
の内部へ手をまわして、ひそかに内輪から、切り崩しにかかっている者がある。……どうも
張本
(
ちょうほん
)
の人物は、蟹江を守る前田
種利
(
たねとし
)
と
遠縁
(
とおえん
)
の関係にある滝川一益らしい」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「楠木が
張本
(
ちょうほん
)
らしい」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“張本”の意味
《名詞》
事の発端。原因。
張本人。首謀。
準備。
(出典:Wiktionary)
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
本
常用漢字
小1
部首:⽊
5画
“張本”で始まる語句
張本人