“弱果”の読み方と例文
読み方割合
よわりは100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一旦、このあたりも捜したなれども、かつて知れず、早や目もくらみ、心も弱果よわりはてました。処へ、煙硝庫えんしょうぐらの上と思うに、夕立模様の雲は出ます。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
弱るところを、呼吸いきもつかせず、三刀みかたな四刀よかたなさし通したので、弱果よわりはてて鷲が仰向あおむけに大地に伏す、伏しつつ仰向けにひるがえる腹に乗つて、やわらか羽根蒲団はねぶとんに包まれたやうに、ふはふはと落ちた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
寝食も忘れまして……気落ちいたし、心え、身体からだは疲れ衰えながら、執着しゅうぢゃくの一念ばかりは呪詛のろいの弓に毒の矢をつがえましても、目がくらんで、的が見えず、芸道のやみとなって、老人、今は弱果よわりはてました。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)