トップ
>
引張出
>
ひっぱりだ
ふりがな文庫
“
引張出
(
ひっぱりだ
)” の例文
下らない往来なんかに
引張出
(
ひっぱりだ
)
したのは私の間違いでした——彼はそう心の中で詫びながら、誰も目の前にはいないのだが、
叮嚀
(
ていねい
)
に頭を下げて引とった。
遺産
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「
汝
(
おのれ
)
はな汝はな。」と武者振附く三太夫を突飛ばして、座蒲団を
引張出
(
ひっぱりだ
)
し、棒ずわりの膝をくずして
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は母を評した兄のこの言葉を、暗い遠くの方から明らかに
引張出
(
ひっぱりだ
)
してくる事が今でもできる。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お前さんが其の長安寺の和尚さんとも知らず、粂之助が私の弟ということも知らねえもんだから、旨い
金蔓
(
かねづる
)
に有附いたと実ア其の娘を
駆
(
だまか
)
して
引張出
(
ひっぱりだ
)
し、穴の稲荷の脇で娘を殺し
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そ、そんなら、
妻
(
さい
)
を——人の見る前、夫が力ずくでは見っともない。貴方、連出して下さい、
引張出
(
ひっぱりだ
)
して下さい、願います。僕を、他人だなんて僕を、……妻は発狂しました。」
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
と手を突いて
詫入
(
わびい
)
るを、
武士
(
さむらい
)
は無理無体に
引張出
(
ひっぱりだ
)
して廊下へ出る。田舎者は
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
尋ねて
行
(
ゆ
)
くものがあるから、おかしいぜ、
此奴
(
こいつ
)
、
贔屓
(
ひいき
)
の田之助に怪我でもあっちゃあならねえと、直ぐにあとをつけて
行
(
ゆ
)
くつもりだっけ、例の
臆病
(
おくびょう
)
だから叶わねえ、
不性
(
ぶしょう
)
をいうお前を、
引張出
(
ひっぱりだ
)
して
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“引張”で始まる語句
引張
引張込
引張凧
引張合
引張回