せせ)” の例文
「まだお帰りになりませんか。どこか心当りはありますまいかね。」男は楊枝ようじで口をせせりながら、奥をのぞき込んで、晩飯を食べている三人の方へ声をかけた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
凝血腸詰ブウダンをほおばる天使長ガブリエル、泰然と大海老オマアせせ馬糞ばふん紙製の小豚、スウプをふき出す青面黒衣の吸血鬼ヴァンピール、共喰いをする西洋独活アスペルジュ、呂律のまわらぬライン葡萄酒の大樽、支那茶を吸い込む象の首
「そうでございますとも。」と叔母は楊枝ようじで金歯をせせりながら、愛想笑いをした。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)