廟所びょうしょ)” の例文
「一つの廟所びょうしょと決めては遺法があまねくわたらない。わしが遺蹟というところは国々至る処にある。念仏を修する処は貴賤道俗をいわず、あまがとまやまでもみんなわしの遺蹟じゃ」
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
東西本願寺の由来は、七百年前、親鸞聖人の娘、弥女いやにょが再婚し、夫から譲られた土地に、父親鸞上人の廟所びょうしょをつくったのにはじまる。この弥女は覚信尼かくしんにといい、この人の孫が第三世覚如かくにょ
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
彼は自ら一軍を率いて、アメシス王の廟所びょうしょのあるサイスのまちに向った。サイスに着くと、彼は、故アメシス王の墓所を探出し、その屍を掘出ほりだして、おのれの前に持って来るよう、一同に命令した。
木乃伊 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ことに月照寺における松平家の廟所びょうしょと天倫寺の禅院とは最も自分の興味を
松江印象記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ここは、徳川代々の廟所びょうしょじゃないか。このおごり誇った霊廟の金碧こんぺきを見ろ。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伝通院は家康の生母水野氏の廟所びょうしょ。そこには徳川氏累代の貴婦人の墓が多い。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)