ベッド)” の例文
太陽は、いま薔薇色ばらいろの雲をわけて、小山のうえを越える所でした。小さい子供は、白い小さいベッドの中で、まだ眠ってりました。
(新字新仮名) / 竹久夢二(著)
ベッドの上に掛けた、自分の肖像——あの先の夫の巽九八郎が描いた裸体の半身像が、いとも和やかに妙子の苦悶を見下して居ると言った、不思議な日が続いて行きました。
眼をあげて、そこを通りゆく奇妙な荷物を積んだ自動車をもう一度仔細しさいに観察した。エンジンベッドの低いオープン自動車を操縦するのは、耳目じもくの整ったわりに若く見える三十前の女だった。
ヒルミ夫人の冷蔵鞄 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)