平等院びやうどうゐん)” の例文
なみ/\の者ではよも渡すまじと見てあるところへ、殿は生月、梶原は磨墨、黒馬二匹が轡をならべて、平等院びやうどうゐんうしとら、たちばなの小島が崎よりざんぶ/\と乘り入つた。
佐々木高綱 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
世を恨み義に勇みし源三位げんざんみ、數もなき白旗殊勝しゆしようにも宇治川の朝風あさかぜに飜へせしが、もろくも破れて空しく一族の血汐ちしほ平等院びやうどうゐん夏草なつくさに染めたりしは、諸國源氏が旗揚はたあげの先陣ならんとは
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
こゝ宇治拾遺物語うぢしふゐものがたりへるは、大納言隆国卿だいなごんたかくにきやう皐月さつきより葉月はづきまで平等院びやうどうゐん一切経いつさいきやう山際やまぎは南泉坊なんせんばうこもりたまひ、あふさきるさの者のはなし、高きいやしきをはず、話にしたがおほきなる草紙さうしに書かれけり
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
宇治平等院びやうどうゐんの宝蔵仏閣
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)