巣立すだ)” の例文
彼女といっしょに巣立すだった早苗たちは、もう未来への羽ばたきを、それぞれの環境かんきょうのなかで支度したくしている。将来への希望について書かせたとき、早苗は教師と書いていた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「わあっ。」と、いうこえがしました。しかし、もうすずめは、巣立すだっていませんでした。
すずめの巣 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これら“同窓の雀”が、時代のあらしに、翼を分かって、思い思いな二十歳はたち台の巣立すだちをしてゆく保延年間(約八百年前)の世態を前奏とし、物語はいま、保元ほうげんの乱、直前まで、書いてきました。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
巣立すだちのころか、羽音はおとつて、ひら/\と飛交とびかはす。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)