岩根いわね)” の例文
黄泉よみ岩根いわね」と呼ばれる谷には、半分獣半分人間の「獣人」どもが住んでいて、あらゆる邪悪の振る舞いをし、禍日まがつびの製造にいそしんでいた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「……大鳥おおとりがひの山に、わが恋ふるいもはいますと人のいへば、岩根いわねさくみてなづみ来し、よけくもぞなき。現身うつそみとおもひしいもが、玉かぎるほのかにだにも見えぬ、思へば。」
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
そのほかめいのお辰といって、二十一になる美しいの、居候で浪人者の岩根いわね源左衛門。
御岳みたけ岩根いわねをゆるがすような轟音ごうおん
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
岩根いわねさん——とか言いましたね。旦那は?」