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岡惚
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おかぼ
ふりがな文庫
“
岡惚
(
おかぼ
)” の例文
「冷たくて、とんだいい心持だよ、さア一と思いに突いておくれ、——お前に殺されれば本望だ。何を隠そう、私は長い間、お前に
岡惚
(
おかぼ
)
れしていたんだよ」
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これはその
筈
(
はず
)
で、文治は品行正しく、どんな美人が
岡惚
(
おかぼ
)
れをしようとも女の方は見向きもしないで、常に悪人を
懲
(
こら
)
し貧窮ものを助ける事ばかりに心を用いて居ります。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この人は、その頃、観音さまの裏の宮戸座に出ていた沢村伝次郎(いまの
訥子
(
とつし
)
)に
岡惚
(
おかぼ
)
れしていた。
生い立ちの記
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
二絃琴のおしょさん芦須賀さんは、その左団次が、若い時からの
岡惚
(
おかぼ
)
れだといってさわぎ出した。
旧聞日本橋:19 明治座今昔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
あの下宿屋の
若旦那
(
わかだんな
)
は役者よりも美くしいと
其処
(
そこ
)
ら
中
(
じゅう
)
の若い女が
岡惚
(
おかぼ
)
れしたという評判であった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
僕は実際無常を感じてしまったね。あれでも君、元は
志村
(
しむら
)
の
岡惚
(
おかぼ
)
れだったんじゃないか。
片恋
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そんなことから方々に
岡惚
(
おかぼ
)
れを作った。「遊ぶ」と云う評判も取った。けれども元来が母恋いしさから起ったのに過ぎないのだから、
一遍
(
いっぺん
)
も深入りをしたことはなく、今日まで
童貞
(
どうてい
)
を守り続けた。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それであたしたちが助けにはいったのだが、花魁は旦那にすっかり
岡惚
(
おかぼ
)
れしてしまったと云っている。
初心
(
うぶ
)
な花魁がこんなことを云うのは珍しいことで、旦那にたんと可愛がってもらうつもりでいる。
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「それとも何か
岡惚
(
おかぼ
)
れでも出来たというわけですかね。」
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「名山さん、お前
岡惚
(
おかぼ
)
れしておいでだッたね」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
「だめですよ、
岡惚
(
おかぼ
)
れをなすっても」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「冷たくて、とんだいい心持だよ、さア一と思いに突いておくれ、——お前に殺されれば本望だ。何を隠そう、私は長い間、お前に
岡惚
(
おかぼ
)
れしていたんだよ」
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
晴
(
はア
)
さん、
貴女
(
あんた
)
伊ーさんに
岡惚
(
おかぼ
)
れしてるんだろう。」
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
△「ハクショ
岡惚
(
おかぼ
)
ッてるよ、この人は」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
岡
常用漢字
小4
部首:⼭
8画
惚
漢検準1級
部首:⼼
11画
“岡惚”で始まる語句
岡惚帳