尻端しりはし)” の例文
なにれはれたものだ、うやつてうするとひながら急遽あわたゞしう七尻端しりはしをりて、其樣そんゆわひつけなんぞよりれが夾快さつぱりだと下駄げたぐに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
紫色の唐縮緬とうちりめんの帯を幅広にぐるぐると巻付けた男、大きなまげにさした髪の飾りも重そうに見える女の連れ、男の洋傘こうもりがさをさした娘もあれば、綿フランネルの前垂まえだれをして尻端しりはしを折った児もある。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
暇乞いとまごいして行く半蔵の後ろから、尻端しりはしを折りながら追いかけて来た。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「なあに、構いません。尻端しりはしを折れば大丈夫」
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)