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尻端
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しりはし
何己れは
馴れた
物だ、
斯うやつて
斯うすると
言ひながら
急遽しう七
分三
分に
尻端折て、
其樣な
結ひつけなんぞより
是れが
夾快だと
下駄を
脱ぐに
紫色の
唐縮緬の帯を幅広にぐるぐると巻付けた男、大きな
髷にさした髪の飾りも重そうに見える女の連れ、男の
洋傘をさした娘もあれば、綿フランネルの
前垂をして
尻端を折った児もある。
暇乞いして行く半蔵の後ろから、
尻端を折りながら追いかけて来た。
「なあに、構いません。
尻端を折れば大丈夫」