“小篠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こざさ42.9%
こしの28.6%
こじの14.3%
をざさ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
庭へおりて見ると、小篠こざさの芽が、芝にまじって、すこやかな青さで出ていた。そのかげを赤い小蟹こがにが、横走りにけたり、はさみで草を摘んで食べている。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
だが、甲府にいるのも工合がわるいし、餞別せんべつまでうけたので、彼は、彼への義理みたいに、かたきのいるこの小篠こしのへ足を向けて来たのだった。
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
榛櫟はりくぬぎ、天を指す木は先づ伐られて連雀れんじやく尾長鳥をながどり)の鈴生すゞなりに止まる榎の木も伐り盡された。今は芝のやうな小篠こじのの茂れる土手どてがうね/\と南北に走つてゐるのが見える。
筑波ねのほとり (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
色のない焔はまたたく内に、濛々もうもうと黒煙を挙げ始めた。と同時にその煙の下から、茨や小篠をざさの焼ける音が、けたたましく耳をはじき出した。
老いたる素戔嗚尊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)