小団次こだんじ)” の例文
旧字:小團次
狂言は黙阿弥もくあみの『小袖曽我薊色縫こそでそがあざみのいろぬい』で、小団次こだんじ清心せいしん粂三郎くめさぶろう十六夜いざよい三十郎さんじゅうろう大寺正兵衛おおでらしょうべえという評判の顔あわせ。
古代に日本武尊やまとたけるのみこと、中世に日蓮上人の遊跡ゆうせきがあり、くだって慶応の頃、海老蔵えびぞう小団次こだんじなどの役者が甲府へ乗り込む時、本街道の郡内ぐんないあたりは人気が悪く
それが今、自分の眼にはかえって一層適切に、黙阿弥もくあみ小団次こだんじ菊五郎きくごろうらの舞台をば、遺憾なく思い返させた。あの貸舟、格子戸づくり、忍返し……。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
山岸荷葉やまぎしかよう君もこの年、小団次こだんじ君らのために「ハムレット」の翻訳史劇(明治座)を書いた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
当時売り出しの作者の新作で、世話に砕けた小団次こだんじの出し物が見られようかともいう。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)