寡勢かぜい)” の例文
こちらは寡勢かぜいへいすくないこと)で、てきのほうは大部隊だいぶたいであるうえに、てき拠点きょてん(よりどころ)でもあったから、すたまは、さながらあめるように集注しゅうちゅうされました。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
前夜その疑いを単于が幹部の諸将にらして事を計ったところ、結局、そういう疑いも確かにありうるが、ともかくも、単于自ら数万騎を率いて漢の寡勢かぜいを滅しえぬとあっては
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
きのうの如き寡勢かぜいでないことはもちろん、江南から不破や養老地方には、小城、土豪、散在のさむらいどもまで、羽柴家と気脈のある者が多く、柴田家に縁故の者といっては稀れである。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)