宿老トネ)” の例文
たとひ此等の異人の真の来訪のない時代にも、村々の宿老トネは、新しく小邑落の生活精神としての呪術を継承する新人ニヒビトを養成する為に、秘密結社を断やす事なき様に努めて来た。
おきな・おみな(媼)の古義は、邑国の神事の宿老トネの上位にある者を言うたらしい。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
田楽には天狗の印象があるだけで、今残つた種目からは窺はれません。其に比べて数から言へば、猿楽は、天狗舞を一分科とするほどです。先達・新達の区別も、宿老トネと若者との関係です。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
木馬キンマの道や、桟道カケハシを踏み越え、禰宜ネギからみようど、宿老トネ老女トジの居る屋敷と言へば、新百姓の一軒家までも尋ね入つて、重い鈍い口から、答へをむしりとる様な情熱が、組織を生んだのです。
かき上る段になれば、何の雜作ザフサもない石城シキだけれど、あれを大昔からとり𢌞して居た村と、さうでない村とがあつた。こんな風に、しかつめらしい説明をする宿老トネたちが、どうかすると居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
かき上る段になれば、何の雜作ザフサもない石城シキだけれど、あれを大昔からとり𢌞して居た村と、さうでない村とがあつた。こんな風に、しかつめらしい説明をする宿老トネたちが、どうかすると居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
かき上る段になれば、何の雑作ザフサもない石城シキだけれど、あれを大昔からとり廻して居た村と、さうでない村とがあつた。こんな風に、しかつめらしい説明をする宿老トネたちが、どうかすると居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
簡単な対句ツヰク的な形式の中に、古代人としての深い知識を含んでゐるものでもあつた。だから、諺に対しては、ある解説を要する場合が多く、其解説者としての宿老トネが、何処にも居つたのである。
日本古代にあつた成年式の宿老トネユヅりの翁舞に、又