宿主やどぬし)” の例文
「盗んで、罪をゆるしてくれもないものじゃ。……これ御亭主、客の盗難は、宿主やどぬしも責めを負わずばなりますまい。なんとして下さるのじゃ」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると宿主やどぬし珊瑚虫さんごちゅうはブツブツ言いながら身をちぢめますが、蟹は大悦おおよろこびで外へ出ます。青い青い広い海は、ところどころ白いあわを立てております。
椰子蟹 (新字新仮名) / 宮原晃一郎(著)
土地と巡礼の心 その宿主やどぬし(巡礼者)らのいうにはもはや我々の本業を始めんければならぬとこういい出したです。その仕事は何であるかというに遊猟に出掛けるという。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
この男の意志を蹂躪じゅうりんし、彼からは全然独立した・意地の悪い存在のように、その濃紺の背広のカラーと短く刈込んだ粗い頭髪との間に蟠踞ばんきょした肉塊——宿主やどぬしの眠っている時でも
狼疾記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ひょっと宿主やどぬしに難儀をかけようかと、それが気がかりでございますが、わたくしはともかくも、子供らにぬくいおかゆでも食べさせて、屋根の下に休ませることが出来ましたら
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
宿主やどぬし執拗しつよう下僕しもべの白状 ところが
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)