しとや)” の例文
綺麗きれいつくつてからかへると、つま不図ふと茶道具ちやだうぐともなかとをわたしそばはこんで、れいしとやかに、落着おちついたふうで、ちやなどれて、四方八方よもやまはなしはじめる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
それに折屈みが何処か節度にかなつてゐて、お茶や花ぐらゐは心得てゐさうにしとやかであつた。
倒れた花瓶 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
芸事の稽古けいこなどをしたせいか、しとやかな落着いた女で、生際はえぎわの富士形になった額が狭く、きれの長い目が細くて、口もやや大きい方であったが、薄皮出の細やかな膚の、くっきりした色白で
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)