嫌々いやいや)” の例文
天才だとほめてくれる者を追い出す法はない! クリストフは嫌々いやいやながらも、崇拝者の感激の言葉を聞いてやらざるを得なかった。
アンドレイ、エヒミチはれい気質きしつで、それでもとはね、ついにまた嫌々いやいやながらワルシャワにもった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そして生活を支えるために、嫌々いやいやながら音楽批評の筆も取らなければならなかった。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
ですから私も仕方がなく、しばらくの間は友人たちを相手に、嫌々いやいや骨牌かるたをしていました。が、どういうものか、その夜に限って、ふだんは格別骨牌かるた上手でもない私が、嘘のようにどんどん勝つのです。
魔術 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
朱実は不平を顔にみなぎらせて、の内へ、嫌々いやいや駈けこんでしまった。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は主人へ、でっぷりした飲食店の主人へ、この付近にピアノの稽古けいこを受けそうな人はいないだろうかと、嫌々いやいやながらも思い切って尋ねてみた。