妖気えうき)” の例文
うさぎをどつて、仰向あふむけざまにひるがへし、妖気えうきめて朦朧まうろうとしたつきあかりに、前足まへあしあひだはだはさまつたとおもふと、きぬはづして掻取かいとりながら下腹したばらくゞつてよこけてた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
両峯の化け物は写真版によると、妙に無気味ぶきみな所があつた。冬心のはさう云ふ妖気えうきはない、その代りどれも可愛げがある。こんな化け物がゐるとすれば、夜色も昼よりは明るいであらう。
支那の画 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)