如是にょぜ)” の例文
思想とか哲学めいたところは十如是にょぜもんというところただ一個所だけであって、それも、文字で数えれば、たった三十四字のものだ。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
主膳がかくの如く、如是にょぜの少年をかき集めて、野性そのままの露出を妨げないものだから、子供たちは、こんないい監督のおじさんは無いと思う。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こゝにこの因果を観じて如是にょぜ本末の理趣ことわり究竟くきょうし、根元こんげんを断証して菩提心に転じ、一宇の伽藍がらんを起して仏智慧ぶつちえ荘儼しょうごんたてまつり、一念称名しょうみょう人天咸供敬にんてんげんくぎょうの浄道場となせる事あり。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
自然を生命とする俳人の眼は、元禄の昔において悠々と如是にょぜの景を句中に取入れている。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
かさなり畳まる山嶽と遥か彼方に展開する国土と清く澄んでいる空気と、そういう空間的関係が如是にょぜの感情を起させる、その一種のあやしさこそ東洋山水画の動因ともなっているのであろうか。
リギ山上の一夜 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
それは仏も如是にょぜしんと言って霊肉の一致は説いていますが
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)