好奇こうき)” の例文
いま、わたしのぐるりをいているものは、気味の悪いものばかりであったが、わたしはいっしょうけんめい好奇こうきのの目を見張みはって新しい周囲しゅういを見回した。
それをむことによつて、わたし寫眞しやしんたいする子ともらしい好奇こうき心と興味けうみとを大に刺戟しげきされたのであつた。
そして、こんどはわしよりも、この小僧に好奇こうきの目をそそいだ。けれど、そこに黙然もくねんと立った鞍馬くらま竹童ちくどうは、じぶんをとりいてジロジロと見る、小姓たちのあることなどは忘れはてて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
恐怖きょうふ好奇こうきの無言のうちに、四人は死体のほうへすすんだ。死体は十数メートル先にほの白く光っていた。みだれたかみ白蝋はくろうの顔にへびのようにくっついている。ぞっと戦慄が身内を走った。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)