女郎屋じょろや)” の例文
高所大所こうしょたいしょとはいったい何を意味するつもりだというところから柿江は始めた。高所は札幌の片隅にもある、大所は女郎屋じょろやの廻し部屋にもあると叫んだ。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
女郎屋じょろやの亭主が名古屋くんだりから、電報で、片山津の戸を真夜中にあけさせた上に、お澄さんほどの女に、髪をわせ、化粧をさせて、給仕につかせて、供をつれて船をがせて
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
えゝ女子おんな綺麗きれえな所を見せなくちゃアなんねえ……綺麗な虫は……ア玉虫がい、女の美しいのを女郎屋じょろやなどではい玉だてえから、玉虫のようなお前様をと目見るより、いなご
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「宿場で女郎屋じょろやへ引っ張り込まれると、必ず逃げて来るんだ。ナカ/\堅い」
田園情調あり (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
向う角の女郎屋じょろやの三階の隅に、真暗まっくらな空へ、切ってめて、すそをぼかしたように部屋へ蚊帳かやを釣って、寂然しんと寝ているのが、野原の辻堂に紙帳しちょうでも掛けた風で、恐しくさびれたものだ、と言ったっけ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と思ってたゝずんで居りますと、うしろから女郎屋じょろや若衆わかいしゅ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「貸座敷——女郎屋じょろやの亭主かい。おともはざっと幇間たいこもちだな。」
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)