女庭訓おんなていきん)” の例文
それ、婦女子は慎しみあるを以て尊しとす。女、淫に走って自ら挑むは即ち淫婦なり、共に天を戴かずとな、女庭訓おんなていきんにも教えてあることじゃ。
「あたりめえだろう。てめえも、武家の出戻りでありながら、ただ、行きずりの一角に、すぐ手を出せば乗るなんざ、女庭訓おんなていきんを外れている。身から出たさび
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
干菓子のようにからびた教育を、女庭訓おんなていきんとするようになってから、彼女たちに代ったものはなんであったか、大名たちのしも屋敷や国許くにもとにおけるめかけ狂いは別として
明治大正美人追憶 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
房二郎は文華堂へはいってからずっと、仮名書かながき女庭訓おんなていきんという写し物をしていた。原本は高名な漢学者で、原題を「啓蒙婦女おんな庭訓」といい、広く読まれている評判の本であった。
へちまの木 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
嫁は使いよい女中をかねなければならないというのが、その人たちの女庭訓おんなていきんであったのだ。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
女庭訓おんなていきんで育った武家娘なんて、男にかかると、から、意気地はねえ」
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)