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女人
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をみな
かれ大坂の山口に到りましし時に、
女人遇へり。その女人の白さく、「
兵を持てる人ども、
多にこの山を
塞へたれば、
當岐麻道一一より𢌞りて、越え幸でますべし」
ふと
牕より見おこせたるに、やゝ程とほくへだてて
女人ひとり、着けたる
衣白う花のひまに照り映ゆるさまなり。かゝる境に
争でとあやしけれど、趨り出でゝ見むとすれば、
疾う遁れき。
おのもおのものりたまひ
竟へて後に、その妹に
告りたまひしく、「
女人先立ち言へるはふさはず」とのりたまひき。然れども
隱處に
興して
子水蛭子を生みたまひき
九。
ここにその樂の日になりて、
童女の髮のごとその結はせる髮を
梳り垂れ、その
姨の
御衣御裳を
服して、既に童女の姿になりて、
女人の中に交り立ちて、その
室内に入ります。