女主人公ヒロイン)” の例文
この話の女主人公ヒロインは有名な家の、富裕な、またたいへん美しい容姿を持った若い娘、ヴィクトリーヌ・ラフルカード嬢であった。
『むき玉子』の女主人公ヒロインに対する円満な解決や、『おぼろ舟』のお藤に対する悲惨な哀れな読者の同情を促すやうな光景や
尾崎紅葉とその作品 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
心着けば、正面神棚の下には、我が姿、昨夜ゆうべふんした、劇中女主人公ヒロインの王妃なる、玉の鳳凰ほうおうのごときが掲げてあった。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして、私は傷ましい悲劇の女主人公ヒロインを眼の前にしながら、ただ索漠たる氣持の中に陷るばかりだつた。
ハルピンの一夜 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
圭子は、みんなから推されて、女主人公ヒロインである「彼女」の役をやることになった。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
或はそのエロ・グロの女主人公ヒロインに対して、A一流の冷酷な野心を起したものかも知れませんが、とにかく吸い寄せられるようにフラフラとなったAは、れ知らず熊笹を押し分けながら
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
肺結核にかかった主人公ヒロー女主人公ヒロインたちは、こんにちの闘病者たちには信じられない非科学性で病気そのものにまけてゆき、やがて、社会の偏見にいためつけられきって、命をおとしている。
『健康会議』創作選評 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
あの女主人公ヒロインの個性は、この暗い復讐悲劇の中で、最も強烈を極めている。ハーゲンに殺された夫ジーグフリードの幻を、胸に抱きしめて、クリームヒルトは匈牙利ハンガリー王エッツェルの許に嫁ぐ。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
古い戯曲の女主人公ヒロイン
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
心着こころづけば、正面神棚かみだなの下には、我が姿、昨夜ゆうべも扮した、劇中女主人公ヒロインの王妃なる、玉の鳳凰ほうおうの如きが掲げてあつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……それはこの部屋の女主人公ヒロインと思われる緞子どんすの寝台のぬしが、果して自分の推量通りに生きた女の児に相違ないか……それとも、やはり、ほかの人形と同様の飾り物に過ぎないかどうかを
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
倭文子は愛人をかくまう映画の女主人公ヒロインのように、かいがいしく出て行った。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
好きな物語の好きな女主人公ヒロインは一人ならずあるが、今興味をもっているのは、ロマン・ローランの長篇小説 The Soul Enchanted(魅せられた魂)の女主人公ヒロインアンネットです。
アンネット (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「僕はいつも貴女を女主人公ヒロインだと思ってるんです。」
「あの女主人公ヒロインを何うお考へになります。」
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
「あの女主人公ヒロインを何うお考えになります。」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)