ぱし)” の例文
「それ見なッせい。あのとき、おれたち夫婦ですすめたように、二龍山へ突ッぱしってしまえば、よもや、こんなことにはならなかったろうによ!」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
盗んだじゃアねえ只無断で使ったものを泥坊なんぞという様な気の利かねえ親分じゃ仕様がねえと思って、おッぱしってしまったが仕様がねえから今じゃア馬小屋見てえなうちを持って、こう遣って
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
……なぜならばよ、知事は自分の情婦おんなを殺された怒りでかっとなったものの、知事にも世間への弱みがある。俺もそこを突いてやる。さあ、あとはいいから梁山泊へ突ッぱし
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「櫛も、かんざしも。どこへぱしって行きやがったのだろう。おれを置き去りにしやがって」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)