太功記たいこうき)” の例文
つづいて十一月には一番目『太功記たいこうき馬盥ばだらいより本能寺ほんのうじ討入まで団洲だんしゅう光秀みつひで菊五郎春永はるながなり中幕団洲の法眼ほうげんにて「菊畑きくばたけ」。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
太功記たいこうきの色彩などははなはだ不調和極まって見えます。加藤清正が金釦きんボタンのシャツを着ていましたが、おかしかったですよ。光秀のうちは長屋ですな。
虚子君へ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
日本の演劇しばいで蛙の声を聞かせる場合には、赤貝をり合せるのが昔からのならいであるが、『太功記たいこうき』十段目の光秀が夕顔棚ゆうがおだなのこなたよりあらわでた時に
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ところがそれがあんまりくできていないじゃありませんか。あるものは私の理性を愚弄ぐろうするために作ったと思われますね。太功記たいこうきなどは全くそうだ。あるものは平板のべつ、のっぺらぽうでしょう。
虚子君へ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)