天颷てんぴょう)” の例文
天颷てんぴょう一陣! ものすごい殺気が、みるまにふたりのあいだにみなぎってきた。ああ龍虎りゅうこたおれるものはいずれであろうか。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この軍勢も、その武者幽霊の影ではないか、いかにも、まぼろしの魔軍まぐんのごとく、天颷てんぴょうのごとく、迅速じんそくな足なみだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、同じ組の士、芋川平太夫と永井源四郎のふたりが何処から来たか、天颷てんぴょうに吹き落された小雀のように、彼方の陣幕とばりの蔭へ向って、まっしぐらに飛びこんで行くのが見えた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
木剣の柄に手をかけると同時に天颷てんぴょう一陣二人の体は、つんざく気合いと共にぱッと飛び別れ、重蔵は小太刀を鉄壁の片手伸ばし平青眼に、鐘巻自斎は同じく中段のたて青眼に取って
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ア、ア、ア!」とばかり、捕手とりて軍卒ぐんそつがおどろきさわぐうちに、一ど、雲井くもいへたかく舞いあがった魔鳥まちょうは、ふたたびすさまじい天颷てんぴょうをまいてけおりるや、するどいつめをさかだてて、旋廻せんかいする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天颷てんぴょう
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)