大鼓たいこ)” の例文
上方筋は別して穢多の増長せし事にて、大坂渡辺の穢多に、大鼓たいこ屋又兵衛といへるは、凡拾万両程の分限にて、和漢の珍器宝庫に充満し、奢侈大方ならず、美妾女も七八人ありと云。
のぼりを立てたり大鼓たいこを叩いたり御神酒おみきを上げてワイ/\して居るから、私は可笑おかしい。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
朝餉あさげおわころには、藩邸での刻の大鼓たいこが鳴る。名高い津軽屋敷のやぐら大鼓である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ふと思ふ大鼓たいこ鳴りて松王出でし二時の半ばはひとやのゆふげ
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)