大鰐おおわに)” の例文
Y君も大鰐おおわにまで送って来て、こゝにたもとわかった。余等はこれから秋田、米沢、福島をて帰村す可く汽車の旅をつゞけた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
前夜の夕刊に青森あおもり大鰐おおわにの婚礼の奇風を紹介した写真があって、それに紋付き羽織はかまの男装をした婦人が酒樽さかだるに付き添って嫁入り行列の先頭に立っている珍妙な姿が写っている。
三斜晶系 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
五百と成善とは、優善が雪中に行き悩みはせぬか、病みしはせぬかと気遣きづかって、再び人をやとって捜索させた。成善は自ら雪を冒して、石川、大鰐おおわに倉立くらだて碇関いかりぜき等をくまなく尋ねた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
五月二十五日 大鰐おおわにに行く。加賀助泊り。
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)