大震災だいしんさい)” の例文
こないだの關東かんとう大震災だいしんさいのときには、淺草あさくさ觀音かんのんのおどううらのいてふの片側かたがは半分はんぶんけても、半分はんぶん枝葉えだはのためにがおどうえうつるのをふせぎました。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
東京は大正十二年九月の大震災だいしんさいにあって、目ぬきの大通りの町屋まちやは、ほとんとみな焼けくずれて、そのあとへはまるで以前のものとはちがった、屋根の平たい堂々どうどうたる
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
大震災だいしんさいで建物の形が変り、妙なところに真暗な広々した空地がポッカリいていたりなどして、全く勝手が違う。この形勢では尾行者たちに勝利が行ってしまいそうだ。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
夏中、視察に歩いて、復一が湖畔の宿へ落付いた半ヶ月目、関東の大震災だいしんさいが報ぜられた。復一は始めはそれほどとも思わなかった。次に、これはよほどひどいと思うようになった。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)