壺々口つぼつぼぐち)” の例文
さざい壺々口つぼつぼぐち莞然にっこと含んだ微笑を、細根大根に白魚しらうおを五本並べたような手が持ていた団扇で隠蔽かくして、はずかしそうなしこなし。文三の眼は俄に光り出す。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
瓜実顔うりざねがおで富士額、生死いきしにを含む眼元の塩にピンとはねたまゆ力味りきみを付け、壺々口つぼつぼぐち緊笑しめわらいにも愛嬌あいきょうをくくんで無暗むやみにはこぼさぬほどのさび、せいはスラリとして風にゆらめく女郎花おみなえし
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)