“塵表”の読み方と例文
読み方割合
じんぴょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
途中、お十夜の用で、川島に一日あまり費やしたにしても、かれらの一行は、やがて貞光口さだみつぐちから塵表じんぴょうの巨山を仰いでいるに違いない。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
嘯詠吟哦しょうえいぎんがあるい獅子しし繍毬しゅうきゅうろうして日を消するがごとくに、その身を終ることはこれ有るべし、寒山子かんざんしの如くに、蕭散閑曠しょうさんかんこう塵表じんぴょう逍遙しょうようして、其身をわするゝを可きやあらずや、疑う可き也。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
古人は、人界を超えた高地を形容して“塵表じんぴょう”などといったが、ビキニの灰でそんな観念の救いさえ完全にふきとんでしまった。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)