堅塁けんるい)” の例文
七、日軍肉迫すモンテ・カルロの堅塁けんるい。金鍍金めっきとルネッサンス式の唐草と、火・風・水・土の四人に神々にまもられた華麗けばけばしき賭博室サル・ド・ジュウ
そして小牧の正面的堅塁けんるいを、その背後から、無意味なものにしてしまう。——要するに、和と戦との攻略二面のかねあいといった方が当っていよう。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
城外の哨兵しょうへいは、頻りと敵軍の近づくのを告げている。この城もまた秀吉の破竹な軍勢を防ぐに足る堅塁けんるいではない。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
序戦、秀吉はかならず、その先鋒をもって、伊勢へ進攻するものと思われる。主力我れと、所は隔つとはいえ、一心堅塁けんるいって、その地の善防奮戦を祈る。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のこし、われらが、小牧の堅塁けんるいを離れて、出たところを、付け入らせるという策をのこしておるやも知れん。——この小人数で打って出るなどは、もってのほか
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
区々まちまちに、凱歌が揚がってゆく。——それは敵の佐々木一族には、余りに無情な秋風の声と聞えたであろう。わずか一日のまにこの堅塁けんるいおちるとは誰も予期していなかった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かほどな堅塁けんるいが、さいごのねばりになって、こう急に敗れた原因は何かというと、寄手のしゃ二無二な土龍もぐら戦法が犠牲を無視して城中へ入ったのが、彼の致命を制したこと勿論だが、何よりは
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、その堅塁けんるいを誇っていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)