なり)” の例文
そのうちに心もち「く」の字なりに曲ったと思うと、普通の人間の片足がする通りに、ヒョコリヒョコリと左手の窓の方へ歩き出した。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私は大の字なり凝然じっとしたまま、まぶたを一パイに見開いた。そうして眼のたまだけをグルリグルリと上下左右に廻転さしてみた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこでイヨイヨ好奇心をそそられた弓削医学士は、尚もそこらを隈なく探検しているうちに、意外にもS岬の突端の岩山の上で、大の字なりにグーグー眠っている東作爺を探出さがしだしたので
S岬西洋婦人絞殺事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私はいつの間にか頑丈がんじょうな鉄のおりの中に入れられている。白い金巾かなきんの患者服を着せられて、ガーゼの帯を捲き付けられて、コンクリートの床のまん中に大の字なりに投げ出されている。
怪夢 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その赤黄色く光る硝子球ガラスだまの横腹に、大きなはえが一匹とまっていて、死んだように凝然じっとしている。その真下の固い、冷めたい人造石の床の上に、私は大の字なりに長くなって寝ているようである。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
毛ムクジャラの太股を片ッ方くの字なりに投出している者。
芝居狂冒険 (新字新仮名) / 夢野久作(著)