えん)” の例文
供や馬を柴門の陰に残して、関羽、張飛のふたりだけを連れ、玄徳は雪ふみ分けて、えんの奥へ通って行った。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むかしは、宰相さいしょうして人のためにえんにそそいだという話があるが、花前はそれにすべき感がある。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
まえの白菊の歌は、老公がかつて水戸の丸山まるやまに十景を選んで、淵明堂えんめいどうを建て、また、えんをひらいて文雅ぶんがつどいをした折、京のさる宮家みやけから光圀みつくにへ下賜されたお歌だった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)