がこ)” の例文
旧字:
李逵りきは、生れた家の前にたたずんだ。赤土の泥小屋、石の破れがこい、屋根を越すひょろ長い松、何一つ変っていない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
俺と日頃仲よしの兄弟分——いさぎよい白無垢の羽衣に着かえた雷鳥さん夫婦に、ほんの片袖がこいの貧しい宿を貸して、何かと寝物語りにふけりながら、お互に身も心も温め合うのが
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
そのうえ冬がこいが家の北から西へ伸びて、家の後ろに走る土手につらなり、その外は千駄木の方へ木立になって、白昼でも、ずいぶん人眼につかぬように、町の方から近づかれないことはありません。