くわつ)” の例文
かたそばだて、前脚まへあしをスクとてて、みゝ圓天井まるてんじやうとゞくかとして、くわつ大口おほぐちけて、まがみはとほ黒板こくばん呼吸いきいた——
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
近づいたなと思ふと、骨の髓までキリ/\と沁む樣な、或る聽取り難き言葉、否、叫聲が、くわつと許り自分の鼓膜を突いた。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
自分で自分を喚付わめきつけて、妄と地鞴踏ぢたゝらふむ。頭がくわつとして眼がくらむやうになつた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)