こぼ)” の例文
如何にも鰹節が到る所に乾してあった、高くなった高くなったと朝晩勝手で女中を相手にこぼしている妻の顔などが心に浮んで苦笑しながら無数に乾しひろげられたそれ等を見て通り過ぎた。
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
此頃こないだも、馬流へ行った時、正公のところへ寄って、正公ちったあ上げて貰いやしたかね、と聞いたら、弱ったよ、今月は五十銭も上るかと思ったに、この模様ではお流れだ、と言ってこぼしていやした
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こぼしてゐる。