喪旗もき)” の例文
ただちにを発し、泊中の者は頭巾に喪章もしょうをつけ、また宛子台えんしだいの上には黒い喪旗もきが掲げられ——一山、哀号あいごうのうちに沈みきった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
初めの日、蜀の軍が、夕方からたくさんに五丈原から西方の谷間に集まりました。そして白の弔旗ちょうきと黒い喪旗もきを立てならべ、一つの蓋霊車がいれいしゃ
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
喪旗もきを垂れ、ひつぎをのせた船は、哀々あいあいたる弔笛ちょうてきを流しながら、夜航して巴丘はきゅうを出て、呉へ下って行った。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仮に平井山の一部に、重治の遺骸を厚くほうむって、何やら、喪旗もきにふく秋風もさびしく、気落きおちのあとの疲れも出て、陣中ともすれば寂寥せきりょうにとらわれやすい真昼だった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さっそく陣々に喪旗もきを立て、弔歌ちょうかかなでて、周瑜死せりと噂するがいい
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
喪旗もきはとりでの春をあらため、僧は河北の一けつを語ること
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)