かっ)” の例文
電光の如く槍をくり出すと、鐘楼の上に伏せられた鐘は僅かにかっと鳴って、槍の笹穂を千段巻まで呑みました。
だから先方でおとなしい挨拶をしても黙って板の間へ上がりはせん。今度は「何だ馬鹿野郎、人のおけへ汚ない水をぴちゃぴちゃねかす奴があるか」とかっし去った。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かっする下に、どぶり、どぶり、どぶり、と浪よ、浪よ、浪ようずまくよ。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「馬鹿な!」と、弦四郎はかっするように云った。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
平四郎は、かっと、気当てを返して
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)