問合といあわ)” の例文
君江もともども芸者はどんなものか一度はなって見たいと思いながら、鑑札を受ける時所轄の警察署から実家へ問合といあわせの手続をする規定のある事を知って、やむことをえず女給になった。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「母の話では、新しいシャツやズボン下を持たせて寄来よこしたと云うんです。片町の村上という友達の家へ問合といあわせたら、六時頃に出たそうですから、どんなに遅くとも来ない筈はないと思います」
亡霊ホテル (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
お宅まで問合といあわせに来たと語ったのから、大騒ぎになったともうします。
人魂火 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ソレも確めることが出来ない、れについて江戸に親戚身寄みよりの者に問合といあわせたけれども、嫌疑けんぎを恐れてかただの一度も返辞へんじを寄越した者がない、ソコで君の処に聞きにやったら何か様子が分るだろうと思うが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
警察けいさつから、市内しない全部ぜんぶ映画館えいがかん電話でんわ問合といあわせをした。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)