咳唾がいだ)” の例文
蕪村の天材は咳唾がいだ尽くたまを成したるか、蕪村は一種の潔癖ありて苟も心に満たざる句はこれを口にせざりしか、そもそも悪句は埋没して佳句のみ残りたるか。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
開けば、声はふみをなし、咳唾がいだは珠を成すなどと、みな云っています。恐れながら、その衆評はみな暗に兄君たるあなたの才徳をくろうするものではありませんか
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
古人は咳唾がいだたまを成すということをいいましたが、一茶のは咳唾どころじゃありません、呼吸がみな発句ほっくになっているのです、怒れば怒ったものが発句であり
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
不断の楽想は泉の如くいて、咳唾がいだことごとくたまの感であった。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
咳唾がいだたまを成し句々吟誦するに堪へながら、世人はこれを知らず、宗匠はこれを尊ばず、百年間空しく瓦礫がれきと共に埋められて光彩を放つを得ざりし者を蕪村ぶそんとす。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
咳唾がいだたまを成し句々吟誦するに堪えながら、世人はこれを知らず、宗匠はこれを尊ばず、百年間空しく瓦礫がれきとともに埋められて光彩を放つを得ざりし者を蕪村ぶそんとす。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
蕪村の天材は咳唾がいだことごとくたまを成したるか、蕪村は一種の潔癖ありていやしくも心に満たざる句はこれを口にせざりしか、そもそも悪句は埋没して佳句のみ残りたるか。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)