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名聞
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みやうもん
ふりがな文庫
“
名聞
(
みやうもん
)” の例文
所謂芭蕉の
七部集
(
しちぶしふ
)
なるものも
悉
(
ことごとく
)
門人の著はしたものである。これは芭蕉自身の言葉によれば、
名聞
(
みやうもん
)
を好まぬ為だつたらしい。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
雖然
(
けれども
)
學士の篤學なことは、單に此の小ツぽけな醫學校内ばかりで無く、廣く醫學社會に知れ渡ツた事柄で、學士に少しのやま氣と
名聞
(
みやうもん
)
に
齷齪
(
あくせく
)
するといふ風があツたならば
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
お前が真に神の栄誉の為めに、一切の世間の
名聞
(
みやうもん
)
を棄てゝゐるなら、その位の事に逢つたつて、平気でゐられる筈である。お前の心にはまだ世間の驕慢が消え失せずにゐる。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
斷えず相見て互に心の底まで知りあはむ程興なき事はあらざるべし。さればおほかたの夫婦は
幾
(
いくばく
)
もあらぬに
厭
(
あ
)
き果つれども、
名聞
(
みやうもん
)
を
憚
(
はゞか
)
ると人よきとにて、其
縁
(
えにし
)
の絲は猶繋がれたるなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
父さまが鎌倉においでなされたら、わたし等も
斯
(
か
)
うはあるまいものを、
名聞
(
みやうもん
)
を好まれぬ職人
氣質
(
かたぎ
)
とて、この伊豆の山家に隱れ
栖
(
ずみ
)
、親につれて子供までも
鄙
(
ひな
)
にそだち、
詮事
(
せうこと
)
無しに今の身の上ぢや。
修禅寺物語
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
お隣屋敷浮田中納言様へお移り遊ばされ候はば、第一に世間の
名聞
(
みやうもん
)
もよろしく、第二にわたくしどもの命も無事にて、この上の妙案は
有之
(
これある
)
まじく候。
糸女覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
成程。その心もないではなかつた。只世間の
名聞
(
みやうもん
)
を求める心に濁されて、打ち消されてゐたのだ。己のやうに現世の名誉を求めてゐる人間の為めには、神も何もない。己はこれから新に神を
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
して見れば師匠の
命終
(
めいしゆう
)
に侍しながら、自分の頭を支配してゐるものは、他門への
名聞
(
みやうもん
)
、門弟たちの利害、或は又自分一身の興味打算——皆直接垂死の師匠とは、関係のない事ばかりである。
枯野抄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“名聞”の意味
《名詞》
世上のうわさ。評判。名声。
名声を得るために体裁を繕うこと。
(出典:Wiktionary)
名
常用漢字
小1
部首:⼝
6画
聞
常用漢字
小2
部首:⽿
14画
“名聞”で始まる語句
名聞心
名聞利養
名聞好
名聞利得
名聞利要