“名打”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なう50.0%
なうて50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そうですね。それがようございますよ。若旦那——これからお屋敷へ上ったって、脇坂様は名打なうてのけちん坊だ。お茶いっぱい飲ましてくれないにきまってますからね」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
寝乱れ姿のしどけなく顔蒼ざめた様子も、名打なうての美形びけいだけあって物凄いくらい。死んだ主人とは三十近くも齢が違うわりに、未だかつて浮いた沙汰などついぞ世間に流れたことはなかった。
ヤッサモッサ捏返こねかえしている所へ生憎あやにくな来客、しかも名打なうて長尻ながっちりで、アノ只今ただいまから団子坂へ参ろうと存じて、という言葉にまで力瘤ちからこぶを入れて見ても、まや薬ほどもかず
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
觀音樣といひ辨天樣といひ、ヴィナスといひ、それが名打なうてな傑作であるといふ以上には、必ず曲線や、慈愛に富んでる微笑が、如何にも生き/\して命あるものであらねばならぬ。
彫刻家の見たる美人 (旧字旧仮名) / 荻原守衛(著)